お看取りについてのブログ

お孫様のたくさんの気持ちに包まれて

vol.9  N様/女性(72歳)

夕刻のメロディーが流れる中で穏やかに永眠

N様はご家族に見守られ穏やかに在宅にて永眠されました。
最期の一息は、5月の夕刻千代田区の17時のメロディーが流れる音と同時にでした。

その日は介護士が朝に訪問をして、主治医も往診、17時には私やS看護師が訪問予定で、全てストーリーが出来上がっていたかのようなお看取りでした。
最期のお洋服は、息子様と娘様がお気に入りのお洋服を選んでくださいました。
エンゼルケアの最中に、娘様は力がぬけて座り込んでしまいましたが、その間9歳のお孫様がシャンプーや使うタオルを出してくれて、娘様も少し落ち着かれました。お姉様とお身体を拭き、保湿しながら「本当にあっという間ね、急にきたなと。でもNN(本人様の呼び名)、頑張ったよね、7年かなぁ」と何度も頑張ったねと伝えていました。

最後まで笑顔のお孫様に癒やされて

最期のお姿を整えましたが、お孫様は亡くなったN様の身体に触れるのが怖い様子でした。それでもN様の指輪を外し、お孫様がすぐに作ったビーズのリングを指にはめて「NN(本人様の呼び名)にお手紙書いたー」とお孫様が描いた富士山のお手さげを、ご本人様の腕に通されました。
お孫様のたくさんの気持ちが、周りにいる方の心をさらに温めてくれました。
息子様は一緒にいたS看護師へ「あなた何歳?こうやって若いのにお看取りという部分を学んで、すごいよね」と私たちにもそのケアに対し感謝の言葉をいただきました。
ご家族様より何度も感謝のことばをいただきながら、お孫様が「もう帰っちゃうの?もう会えないの?」と玄関を閉めたあとも走ってエレベーターまで来られ、最後まで笑顔でハイタッチをしてくれました。

「ご自宅で最期まで」の気持ちをチームで支える

サービスの開始時は、看護は必要ないと一旦はストップしていましたが、状態に変化がありサービスを再開することとなりました。残された時間は一週間程でしたが、看護師が毎日ケアに伺う中で、ぎゅっと濃厚なお時間を過ごさせていただきました。
またSケアマネの早い対応により、医師の緩和医療や、介護と看護チームで「ご自宅で最期まで」の希望を叶える事ができました。

人が亡くなる時期は誰にも分かりません。その時がいつきても大丈夫であるよう、残された時間を大切に過ごしていただくためにターミナルケアチームは存在します。
寂しさ、気持ちのゆらぎ、不安とその中でのお看取り。次に歩んでいく方々のお姿を確認した時に、私達も次へ歩んでいけるのだと改めて感じました。これからもご利用者様のお気持ちを支えながら、共に歩み続けたいと思います。


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