お看取りについてのブログ

2025/08/13
ありがとうが繋いだ最期の時間
vol.27 O様/男性(87歳)
不安を安心に変えて -在宅という選択
O様はご高齢による衰弱が進行し、いつ何があってもおかしくない状態でした。当初ご家族は、自宅で介護が出来るのかという不安を感じていらっしゃいました。そこで、Sクリニックの先生や看護師、ケアマネジャーを交え、O様の今後の過ごし方について話し合いを重ねました。
ご家族には様々な迷いが交錯していたことでしょう。グッドライフケアにはお看取りの経験豊富なスペシャリストがおります。「しっかりとご支援いたしますので、どうかご安心下さい」とお声がけし、最終的に病院ではなくご自宅での看取りを選択されました。
最期の「ありがとう」-心が通い合う瞬間
後日、弔問に伺った際、奥様からO様が亡くなられた時の様子を伺いました。O様には訪問看護が介入しており、亡くなる前日も看護師のTさんがケアをしました。Tさんは、O様の状態から、そろそろお別れの時が近づいているかもしれないと感じ、奥様にそっと心の準備が出来るようお話しされたそうです。
まるでO様ご自身もそれを感じ取っていたかのように、最後のケアが終わった後、Tさんに向かって「Tさん、ありがとう」と、感謝の言葉を述べられたそうです。初めて名前を呼ばれたTさんは、O様が覚えていてくださったことに、奥様と感激されました。奥様もまた、「覚えていてくれたんですね!分かってたのね、パパ!」とO様に呼びかけました。
好物と共に -静かに訪れたお別れ
翌日、O様は静かに息を引き取られました。その日の夕食前、娘様が買ってきてくださった好物の鰻を食べるかどうかを奥様が尋ねると、O様は「〇〇ちゃんが買って来てくれたの?食べる」と、はっきりした口調でお答えになったそうです。奥様が準備を始めたところ、突然お別れの時が訪れました。
奥様は、「最後はあっけない位でしたが、本人は苦しむことなく亡くなりました。デイサービスへ行くのも嫌だった主人ですので、皆様のおかげで、病院ではなく自宅で看とる事ができて良かったです。本当に感謝しています」とお言葉を頂きました。
O様らしい穏やかな良いお見送りができたことを、私たちも嬉しく思います。O様、そしてご家族を支えて下さったSクリニックの先生、看護師、ケアマネジャーをはじめ全ての皆様に、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。