パーキンソン病の方のためのブログ
2023/11/28
パーキンソン病の歴史
パーキンソン病の方に役立つ基礎知識vol.27
パーキンソン病は,振戦,筋強剛,運動緩慢,姿勢保持障害を主症状とし,黒質ドパミン神経細胞の脱落とレビー小体の出現を特徴とする神経変性疾患です。
1817年 ロンドンの外科医であるジェームズ・パーキンソン(James Parkinson)が6例の症状を子細に観察して、「An Essay on the Shaking Palsy」にまとめて出版しました。
彼はこの著書の中で筋強剛以外の三大症候の記載に加え,前傾姿勢,流涎,小刻み歩行,小字症をはじめとした様々な運動症状,さらに非運動症状まで言及しています。
後に、神経学の祖といわれるフランスの神経科医、ジャン=マルタン・シャルコー (Jean-Martin Charcot)が筋強剛を記載して、パーキンソン病と命名したことが知られています。
出典:Wikipedia
1912年
ドイツ生まれの神経学者でアメリカで活躍した、フレデリック・ヘンリー・レビー(Frederic H. Lewy)によってレビー小体という細胞内封入体が発見されました。
1919年
ロシアの神経病理学者であるコンスタンティン・ニコラエヴィッチ・トレティアコフ (Konstantin Nikolaevitch Tretiakoff)によって、パーキンソン病の黒質での脱落変性について初めて記載されました。この当時の治療法は、外科的手術、脳定位淡蒼球破壊術などが主流でした。
1957年
アルビッド・カールソン(Arvid Carlsson)が大脳基底核に伝達物質としてのドーパミンを発見、1959年に大阪大学医学部精神科の佐野勇教授らによってパーキンソン病でドーパミンが減少していることが報告されました。
1960年
オーストリアの生化学者であるオーレ・ホルヌィキェヴィチ(Oleh Hornykiewicz)によって、パーキンソン病が脳内のドーパミン欠乏によるものであることが発見されました。
1961年
ホルヌィキェヴィチはパーキンソン症状が血液脳関門を通過するドーパミンの前駆体であるL-ドーパで改善することを報告しました。
1968年
ジョージ・コンスタンティン・コツィアス(George Constantin Cotzias)の論文が発表され、L-ドーパによる治療法が確立されました。
少量のL-ドーパを経口投与し、徐々に容量を増やしていき、症状が劇的に改善し安定させる方法を確立し、現在の標準治療スタイルの礎となっています。
立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士、LSVT®BIG ライセンス認定者>
病の進行具合と未来像を予測しながら、リハビリの具体的なアドバイスをいたします。
パーキンソン病の特徴にあわせた自立度の高い方向けのリハビリプログラムを設定しています。