お看取りについてのブログ

「良い思い出」として続いていく

vol.16  U様/男性(85歳)

最期の表情は眠っているかのよう

私と息子様でエンゼルケアを行わせていただきました。最期の表情は眠っているかのように少し笑みを浮かべておられ、穏やかな表情でした。前日に酸素飽和度の低下があり、息子様は『傍に寄り添って最期の一呼吸まで見届けることができました』とお話くださいました。

一緒にケアを行う中で『洋服を着せてあげることなんてできなかったな』と話され、ボタンを一つ一つ止めておられました。そして、冷たくもまだ柔らかいお父様の手を保湿ケアされながら、静かに涙を流されておられました。

息子様より『父は我がままが多かったな。すぐにベッドから脱走して。でも、最期まで看ると気持ちが違うもんだね。きれいな顔して。。。おふくろの時には最期まで看取ることができなかった。皆さんの様な方にお手伝いいただきながら、自宅で最期まで生活できる事を知らなかったから。S病院の先生は在宅でって勧めてくれたけど・・・。それを知っていればおふくろも看てやれたのにね。もっと情報がほしかった。もっと、在宅での看取りの情報が手に入り易いといいのにね。S先生はフットワークが軽くて、すぐに来てくれて、本当に助かりました。』とお言葉を頂戴しております。

エンゼルケアをされるご家族の表情は穏やか

ご家族など周囲の方にとって、ご本人様が最期を迎えられるまでのプロセスは、決して負担の軽いものではありません。ですが、最期まで寄り添い看取ることができた時、穏やかで深いやすらぎを感じられることが多いように思います。また、エンゼルケアをされる時の表情も穏やかで、明日へ歩んでいくための良い記憶として残されるようです。そうした、ご家族様にとっての「良い形の死」は「良い思い出」として続いていくものだと感じることができました。

自宅は穏やかな最期を迎えられる場所

また、今回私たちは『穏やかな最期を迎える場所として、在宅での看取りケアがあることをもっと一般的にしてほしい』との息子様のお気持ちに触れることができ、大きなやりがいを感じることができました。

この度も、最期まで関わらせていただきありがとうございました。

関わられたスタッフの皆様、お疲れ様でした。

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