お看取りについてのブログ

最期の時まで寄り添うケア

vol.5  O様/男性(89歳)

お祭りの粋なお姿での旅立ち

7月の未明、奥様、娘様に見守られながら、O様は穏やかに永眠されました。最期のお姿は町内会のお祭りに着る粋な浴衣でした。金の刺繍が施された帯は奥様と娘様で整えてくださいました。

娘様がお手洗いに行こうとしたときにO様を見ると、ベッド隣で眠っていた奥様のほうに手を伸ばしながら横になった状態で、気づいた時には亡くなっていたそうです。
自宅で最期までと決めていた娘様は、やり切った感と笑顔を浮かべながら、一緒にエンゼルケアを行いました。

娘様からは、「グッドライフさんにはずっとお世話になっていて、本当にたくさんの方に支えていただき、とても助けられました。次は母のこともお願いいたします」とO様が立派なお姿で旅立ちの準備を整えたことに、感謝のお気持ちを添えてくださいました。

医師と連携し、日々スタッフと関わることで、O様の残された時間の中、娘様、奥様は死を徐々に受け止めていきました。T看護師が状態変化から、最期の場所をどのようにするかの話を娘様へ、更にエンゼルケアの話までお伝えしました。

亡くなる前日

「呼吸が変わってきても、本人は苦しさを感じていないということを知り安心しました。でも昨日それを聞いてから呼吸の仕方が変わったように見えちゃって。でもそういう話を少しずつしていただいて、心の準備ができてくるんですね」と娘様。
「以前病院に入院した時は拘束されたりして、表情が全くなくなっちゃったんですけど、家で皆さんに来て看てもらって、こんな状態ですけどたまに笑ったり、表情が見られるので、家で過ごせて本当に良かったです」とお言葉をいただきました。
私からは「ご家族がそばにいるので、ご本人様も安心してらっしゃるでしょうね」とお伝えしました。

私たちの"寄り添うケア"は、ご家族様が失うことへの不安いっぱいの気持ちに寄り添うだけではなく、最期の時をどのように過ごしていくのかという気持ちまで導くことができます。そして、O様の笑顔は次に歩まれるご家族様にとって思い出となり、生きる原動力となることでしょう。


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