パーキンソン病の方のためのブログ

パーキンソン病と認知症

パーキンソン病の方に役立つ基礎知識vol.43

認知症とは、記憶、思考、判断、学習能力などの精神機能がゆっくりと進行性に低下する病気です。
パーキンソン病は、運動症状が生じる神経変性疾患で、以前は認知機能障害は認められないと考えられていました。最近では薬物療法の進歩と寿命の延長により、パーキンソン病患者の約30%ぐらいの方が認知症を発症するといわれています。

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パーキンソン病認知症

パーキンソン病認知症は、運動症状が生じてから10~15年で進行すると考えられています。アルツハイマー型認知症とは異なり、見当識や記憶力は比較的保たれることが知られています。
特有な症状としては、遂行機能、注意機能、視覚認知機能の障害が顕著となります。

遂行機能・・・目的を持った一連の活動を効果的に成し遂げるために必要な機能です。自ら目標を設定し、細かい手順の計画を立て、必要に応じて修正を行いながら実際の行動を効果的に行うことをいいます。前頭葉、特に前頭前野背外側部が中心的な役割を果たすと考えられています。


注意機能・・・多くの対象や体験の中から、特定のものを選択してはっきりと意識する精神機能です。脳幹網様系、帯状回、前頭葉、頭頂葉が作るネットワークが中心的な役割を担います。


視覚認知機能・・・空間的位置情報や動きを認識するために、外界から視覚を介して入力された情報を処理する機能です。更に、処理された情報を運動機能(読み、書き、目と手の強調、動作時のバランス保持など)に変換する機能です。

パーキンソン病は症状が進むと、日中の過度の眠気やボーっとした症状が現れ、覚醒レベルが低下します。加えて、薬の副作用により幻覚や妄想などの精神機能の病態も出現します。認知症が現れるのは、病変が大脳皮質に及んだ頃です。

パーキンソン病認知症とレビー小体型認知症

パーキンソン病はαーシヌクレインの凝集体であるレビー小体が神経細胞に出現し、神経細胞が脱落していく病気です。パーキンソン病認知症とレビー小体型認知症の区別は難しいですが、幻覚や妄想はレビー小体型認知症よりも軽度です。
この時期、バランス能力や遂行能力の低下と重なり、転倒が頻繁に見られる特徴もあります。転倒には十分注意し、できるだけ転ばないよう予防・対策することが必要です。

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column-tatukawa.png立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士、LSVT®BIG ライセンス認定者>

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病の進行具合と未来像を予測しながら、リハビリの具体的なアドバイスをいたします。
パーキンソン病の特徴にあわせた自立度の高い方向けのリハビリプログラムを設定しています。

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