お看取りについてのブログ

ご家族の関係性と『看取る力』

vol.20  K様/女性(81歳)

ご本人様は、次女様の愛猫のきりんちゃんとずっと一緒に居たいと希望され、次女様宅へ退院されました。しかし退院後すぐに病状が急変、数日での最期となりました。

きりんちゃんが終始傍に

最期の日の朝、ケアで次女様宅へうかがった際、きりんちゃんはご本人様から離れず、次女様がケアの邪魔になると叱っていらっしゃいました。しかし動物は勘が良いもので、終始傍に寄り添っていました。その時の血圧は60(触診)、「きりんちゃんは分かってますよ」と次女様にお声をかけました。

精神的な葛藤が多いご家族の関係性

今回のケースは、長女様がネグレクトであったため、発見当初、ご本人様は壮絶な状態で入院となった経緯がありました。次女様の長女様に対する怒りは強く、ご本人様の最期の際も、長女様に知らせるべきかどうかなど、精神的な葛藤が非常に多い傾向がありました。

ただ、その怒りは『看取る力』となり、ご本人様をご自宅に引き取られ、最期までご自宅で過ごせたことに、後悔が無いご様子でした。また、長男様も一緒に関わってくださることで穏やかな最期だったと、とてもご納得されておられました。

ご家族へのお声がけはどのようにするか?何に配慮する事が重要なのか?など、関係性についてバランスを意識することが大切だと、関わりの中で特に学ばせていただいたお看取りとなりました。

また、ペットも家族の一員。ご本人様のご希望を叶え、お看取りの中できりんちゃんも一緒にケアに加えてあげるように意識しました。

エンゼルケアで行うお体の保湿は、次女様の娘様が得意とされるオーラソーマ。カラーオイルで全身を保湿ケアされました。前日、看護師がシーツ交換し、お身体を拭いてご本人様のお気に入りのパジャマにお着替えさせていただいたことを、大変喜んでおられました。

ご家族様と一緒に、とても良いお看取り、お見送りのご準備をさせていただきました。

いい人にはいい人が集まる、皆様のおかげで苦しまずに逝けましたと感謝のお言葉をいただいております。ご縁をいただき大変感謝致します。

関わられたスタッフの皆様、大変お疲れ様でした。

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