卓球はパーキンソン病に有効? パーキンソン病の方に役立つ基礎知識vol.35

パーキンソン病には薬物療法と並んでリハビリ運動が大事だと言われています。運動することでドパミンが増えるとも報告されています。パーキンソン病が進行してくると、筋力が低下し関節が固くなり、姿勢の変化や運動機能の低下が生じてきます。また、リズミカルな動作や2つの課題をこなす(二重課題)動きに対応することが難しくなっていきます。

近年、タンゴセラピーや卓球療法がパーキンソン病の進行期に有効であるとの報告があります。卓球療法は、パーキンソン病に罹患したアメリカ人のギタリストが、卓球をするうちに再びギターが弾けるようになったことがきっかけで始まりました。現在は世界パーキンソン病卓球大会が開催されるまでに至り、世界中に広まっています。

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世界23ヶ国の加盟からなる「国際ピンポン・パーキンソン」は日本にも支部があります。NPO法人「日本ピンポン・パーキンソン」は2022年に発足し、世界大会の誘致も視野に入れて活動が行われています。国内には各地の「パーキンソン病友の会」支部に卓球クラブがあり、都内にも練馬区、大田区、中野区にパーキンソン病患者が集っての卓球クラブがあります。

(日本ピンポン・パーキンソンのサイトから検索可能です。URL:https://www.pingpongparkinsonjapan.org/

パーキンソン病患者は、ピンポン球の動きと音が視覚と聴覚のキュー(手がかり)となり、リズミカルな動作が可能になると考えられています。

卓球にチャレンジして、楽しみながらリハビリに取り組んでいきましょう。

column-tatukawa.png立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士、LSVT®BIG ライセンス認定者>