パーキンソン病の方に役立つ基礎知識 vol.3 「ジスキネジア」と「ウェアリングオフ」

「ジスキネジア」と「ウェアリングオフ」

L-ドーパ製剤は吸収率が低く、薬効が短いのが特徴の薬です。

お薬の血液中の濃度が半分になる「半減期」が60~90分です。
パーキンソン病発症初期には、L-ドーパの薬効は6~8時間と長く、一日2~3回の服用で効果が持続しますが、数年経過すると薬効が3時間ぐらいになり、薬が効いていないオフの状態が出現するため服用回数が増えていきます。

更に進行すると、薬効が2時間ほどで切れるようになり、服用すると薬の効き始めに身体が勝手に動く『ジスキネジア』が出現するようになります。
『ウェアリングオフ』も最初のうちは「少し動きづらいなあ」と感じる程度から、病気の進行とともに「かなり動きづらい」から「動けない」と感じるようになり、さっきまでオンだったのに急にオフになるといった現象も見られるようになります。

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※注釈
L-ドーパ製剤:脳内でドパミンへ変化しパーキンソン病の症状改善が期待できる薬。
ジスキネジア:薬が効きすぎて手足が勝手に動いてしまう現象。
ウェアリングオフ:薬が効かない状態。


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column-tatukawa.png立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士>