パーキンソン病の方に役立つ基礎知識 vol.2 L-ドーパ製剤*について

L-ドーパ製剤*について

パーキンソン病ではドパミンが不足します。

ドパミンは消化管では吸収されず、血液脳関門*も通過しないため飲んでも効きません。

脳内でドパミンは、『チロシン ⇒ L-ドーパ ⇒ ドパミン』と酵素の働きで生成されます。
L-ドーパの吸収は消化管の中でも上部小腸に限られています。

胃壁にはL-ドーパをドパミンに変換する酵素が存在するため、現在では胃壁の酵素の阻害剤(ベンセラシドやカルビドパ)との合剤が開発され主流の治療薬となっています。

      服用時の注意
      • 空腹時にお水で素早く胃を通過させる必要があります。
      • 牛乳で服用すると吸収効率が下がり、薬の効きが悪くなります。
      • L-ドーパ製剤の吸収は、胃酸の分泌が減少すると悪くなります。
      • L-ドーパ製剤は、制酸剤*との服用には注意が必要です。
      • レモン水やグレープフルーツジュースで飲むと、L-ドーパの吸収を高めることができます。

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※注釈
L-ドーパ製剤:脳内でドパミンへ変化しパーキンソン病の症状改善が期待できる薬。
血液脳関門(けつえきのうかんもん):脳の血管と組織の間の行き来を制限する関所の役割をしています。
制酸剤(せいさんざい):胃酸を中和する胃腸薬

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column-tatukawa.png立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士>