アネドニア パーキンソン病の方に役立つ基礎知識 vol.58

パーキンソン病(PD)は、ドパミン欠乏によって引き起こされる病気です。身体の震えや動作が遅くなるといった運動症状だけではなく、自律神経系の症状やアネドニア(無快感症)という精神症状も起こります。

アネドニアとは?

アネドニアとは喜びや楽しみを体験できない状態のことです。
以前は幸せだった活動や人とのふれあいも楽しめなくなり、人生に対する興味や喜びが感じられなくなります。

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アネドニアのタイプ

社会的アネドニア・・・他人との交流や社会的な活動に対する興味や喜びを感じなくなる

身体的アネドニア・・・食事、音楽、スポーツ、セックスなど、身体的な感覚に関連する活動からの喜びを感じにくくなる

アネドニアが起こる原因

アネドニアが起こる詳しい原因は不明ですが、パーキンソン病で不足するドパミンや、セロトニンといった神経伝達物質のバランスが崩れることが関係していると考えられています。
私達の脳には「快楽中枢」と呼ばれる部分があり、この部分の働きが喜びや楽しみを感じることに大きく関わっています。ドパミンは、「快楽中枢」を活性化させる働きがあるため、ドパミンが不足すると、喜びを感じにくくなってしまうのです。

アネドニアの症状を改善する3つの方法

適度な運動・・・運動をすることで、脳内にドパミンが分泌され、「快楽中枢」が活性化される

専門家への相談・・・アネドニアが長く続くなら、専門家へ相談。薬物療法や心理療法に頼ることも必要

社会活動・・・家族や友人との交流、趣味活動、サークルなど積極的な活動

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column-tatukawa.png立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士、LSVT®BIG ライセンス認定者>