パーキンソン病の方に役立つ基礎知識 vol.18 身体を動かさないことで現れる「廃用症候群」

身体を動かさないことで現れる「廃用症候群」

「廃用症候群」とは・・・
過度に安静にすることや、活動性が低下したことにより身体に起こる症状をさします。病気になれば、安静にして寝ていることがごく自然な行動ですが、このことを長く続けると、廃用症候群を引き起こしてしまいます。

<詳しい症状>
筋肉・・・筋萎縮や筋力低下
関節・・・変形や拘縮
骨・・・骨粗鬆症
循環器系・・・心拍出量低下や起立性低血圧
消化器系・・・食欲低下や便秘
皮膚・・・褥瘡
精神・・・鬱、せん妄、見当識障害

<予防策>
廃用症候群を防ぐには、毎日のリハビリを積極的に病気と向き合う姿勢で継続することです。パーキンソン病では、運動症状に先行して鬱状態が現れることがあります。そのため診断されてから、病気の進行や生活に関する不安で鬱になることも少なくありません。先ずは病気について正しく理解することが重要です。そして、一番難しいことですがパーキンソン病であることを受け入れること、家に閉じこもらず気軽に話せる仲間を見つけて楽しく過ごすことも重要になります。

 パーキンソン病に限らず、高齢になると活動量が下がり筋力低下が生じます。筋力が低下すると、関節が動かしにくくなり姿勢の変化も生じてきます。またパーキンソン病では前かがみの姿勢になりやすく、バランス機能の低下もあって転びやすくなります。できるならばパーキンソン病の進行状態を正しく評価できる理学療法士に、今、どこの筋力が低下してきているのか?を評価してもらい、正しい運動を指導してもらうと安心できます。

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最近では、スマートフォンやタブレットを使った遠隔リハビリで、パーキンソン病専門リハビリを行う施設も増えてきました。情報機器をうまく活用し、病気と向き合いながら楽しく過ごす方法を探してみましょう。

column-tatukawa.png立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士、LSVT®BIG ライセンス認定者>