パーキンソン病の方に役立つ基礎知識 vol.6 ドーパミンを効率よく補充

ドーパミンを効率よく補充

L-ドーパ製剤は、パーキンソン病によって不足するドーパミンを補給する薬です。

脳内のドーパミンは、モノアミン酸化酵素(MAO-B:ドーパミンを分解するのはB型)という酵素によって代謝され、なくなっていきます。

この酵素の働きを阻害するとドーパミンの分解が抑えられ、症状が改善されると考えられております。

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日本では1998年に発売されたMAO-B阻害剤、商品名エフピーが使われています。
また、上部小腸で吸収されたL-ドーパは脳内に届く前に末梢で、カテコールーOーメチルトランスフェラーゼ(COMT)という酵素によって分解されます。

脳内に届くL-ドーパの量を増やすために、末梢COMT阻害剤エンタカポン(日本での商品名コムタン)との同時服用で利用効率を高めます。

この阻害剤はL-ドーパの血中濃度を高めるため、薬が効いているオンの状態が持続し、ウェアリングオフ現象を改善することが期待できます。

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※注釈
L-ドーパ製剤:脳内でドパミンへ変化しパーキンソン病の症状改善が期待できる薬。
モノアミン酸化酵素(モノアミンさんかこうそ):略称: MAO
・MAO-Bは主に脳(グリア細胞)に存在する。


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column-tatukawa.png立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士、LSVT®BIG ライセンス認定者>