パーキンソン病の方に役立つ基礎知識 vol.22 パーキンソン病と間違えやすい他の病気

パーキンソン病と間違えやすい他の病気

パーキンソン病は、静止時振戦、無動(寡動)、筋強剛、姿勢保持障害などの運動症状を呈しますが、これらの症状を「パーキンソニズム」といいます。

パーキンソニズムをきたす主な疾患としては、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、レビー小体型認知症、アルツハイマー病などの変性疾患があります。変性疾患の中には、特に病初期には区別が難しいものがあり、診断されるまでに長い時間がかかることもあります。
この他に、小さな脳梗塞が繰り返し起こることで生じる脳血管性、向精神薬などの服用で生じる薬剤性、マンガン・一酸化炭素やMPTP(メチルフェニルテトラヒドロピリジン)などによって引き起こされる中毒性、脳炎などの感染性や正常圧水頭症によって起こる「症候性パーキンソニズム」があります。

パーキンソン病以外の病気の可能性がある場合は4つの特徴があります。

①症状が左右対称
②進行が早く、早期から転倒する
③早期から認知機能障害や自律神経症状が強く出現
④ドーパミン補充療法(L-ドーパ製剤)への反応が悪い

パーキンソニズムを引き起こす病気はパーキンソン病以外にもたくさんあり、治療法も病気によって異なります。それぞれの病気に適した治療をするために、正確に診断することがとても大切です。

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column-tatukawa.png立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士、LSVT®BIG ライセンス認定者>