パーキンソン病の方に役立つ基礎知識 vol.10 筋強剛について

筋強剛について


パーキンソン病の運動障害の一つに『筋強剛』があります。

これは、筋肉が固くなってこわばる状態をいいます。


・他動的に関節を動かすと、歯車が回転するようにカクンカクンと断続的な抵抗を感じることがあります(歯車様現象)。

・鉛管を曲げるときのような持続的な抵抗を感じる場合もあります(鉛管様現象)。

・顔の筋肉もこわばるので、無表情な、無愛想な顔つきになることもあります(仮面様顔貌)。

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筋肉の固さが強くなって、パーキンソン病症状が進んできたときには、ドーパミン*を補充する薬物療法で症状の改善を図っていきますが、とりわけリハビリとの併用が重要になります。
筋肉が固くなると姿勢の変化も生じます。姿勢が前かがみにならないように身体を後ろに反らしたり、身体を捻ったりとストレッチを習慣にしましょう!壁に向かって手を上に伸ばして腰を伸ばすのも一つの方法です。

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※注釈
ドーパミン:中枢神経系に存在する神経伝達物質
やる気や幸福感を得られ、運動や学習、感情、意欲などに関与しています。


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column-tatukawa.png立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士、LSVT®BIG ライセンス認定者>