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パーキンソン病の方に役立つ基礎知識 vol.12 パーキンソン病を発症するとなぜ低血圧になるのか

低血圧について

パーキンソン病を発症すると、徐々に血圧は低くなり、収縮期血圧がいつも100mmHg以下となる場合もあります。

ドーパミンが不足すると、その代謝産物でもあるノルアドレナリンも不足します。

ノルアドレナリンは自律神経の中の交感神経の伝達物質であり、末梢血管を収縮して血圧を上昇させます。

この交感神経の障害により低血圧になると考えられています。

また、抗パーキンソン病製剤であるL-ドーパやドーパミンアゴニスト自体にも血圧低下を引き起こす作用があると考えられています。

立ち上がったり身体を起こしたりすると、血圧が低下することで脳内の血流が維持できなくなり、ふらつきやめまいなどを生じるようにもなります(起立性低血圧)。

食後や排泄後、入浴中には血圧が下がる傾向にあるので、急な姿勢変化を避けるようにしましょう。

長時間座っていた時はゆっくり立ち上がるようにし、足を挙げておくのも良いでしょう。心不全等健康状態に影響のない範囲で、塩分摂取や水分摂取を心がけましょう。

足に血流が過剰に流れるのを防ぐ弾性ストッキングの装着も有効でありますが、自己装着や長時間の装着が難しいことが難点です。

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column-tatukawa.png立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士、LSVT®BIG ライセンス認定者>

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病の進行具合と未来像を予測しながら、リハビリの具体的なアドバイスをいたします。
パーキンソン病の特徴にあわせた自立度の高い方向けのリハビリプログラムを設定しています。


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