2023/08/07
パーキンソン病コラム
パーキンソン病の方に役立つ基礎知識 vol.2 L-ドーパ製剤*について
L-ドーパ製剤*について
パーキンソン病ではドパミンが不足します。
ドパミンは消化管では吸収されず、血液脳関門*も通過しないため飲んでも効きません。
脳内でドパミンは、『チロシン ⇒ L-ドーパ ⇒ ドパミン』と酵素の働きで生成されます。
L-ドーパの吸収は消化管の中でも上部小腸に限られています。
胃壁にはL-ドーパをドパミンに変換する酵素が存在するため、現在では胃壁の酵素の阻害剤(ベンセラシドやカルビドパ)との合剤が開発され主流の治療薬となっています。
- 空腹時にお水で素早く胃を通過させる必要があります。
- 牛乳で服用すると吸収効率が下がり、薬の効きが悪くなります。
- L-ドーパ製剤の吸収は、胃酸の分泌が減少すると悪くなります。
- L-ドーパ製剤は、制酸剤*との服用には注意が必要です。
- レモン水やグレープフルーツジュースで飲むと、L-ドーパの吸収を高めることができます。
- 服用時の注意
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※注釈
L-ドーパ製剤:脳内でドパミンへ変化しパーキンソン病の症状改善が期待できる薬。
血液脳関門(けつえきのうかんもん):脳の血管と組織の間の行き来を制限する関所の役割をしています。
制酸剤(せいさんざい):胃酸を中和する胃腸薬
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立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士、LSVT®BIG ライセンス認定者>
病の進行具合と未来像を予測しながら、リハビリの具体的なアドバイスをいたします。
パーキンソン病の特徴にあわせた自立度の高い方向けのリハビリプログラムを設定しています。