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パーキンソン病の方に役立つ基礎知識 vol.16 脳内のドーパミン経路

脳内のドーパミン経路

主に脳内のドーパミン経路は4つ!
中脳皮質系経路:中脳腹側被蓋野から前頭葉や側頭葉に投射する経路
中脳辺縁系経路:同じく中脳腹側被蓋野から大脳辺縁系へ投射する経路
黒質線条体経路:中脳黒質から線条体(被殻+尾状核)へ投射する経路
漏斗下垂体経路:視床下部から下垂体へ至る経路

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ドーパミンは学習・記憶、注意や実行機能などの認知機能に関係しており、
パーキンソン病における認知症発症リスクは、健常者の6倍高いとの報告もあります。

辺縁系への経路は、特に側坐核が重要な役割を担っています。
ここでは「報酬系」と呼ばれる、欲求が満たされたときに活性化し、
「気持ちよさ」や「幸福感」を引き起こすシステムが働いています。

パーキンソン病では、やる気の無さ、アパシー(興味や意欲の障害)も
非運動症状の一つです。
運動機能の調節には、黒質線条体経路が重要な役割を担っています。
黒質のドーパミン作動性ニューロンの変性により、線条体ドーパミン量が低下し、
安静時振戦、筋固縮、無動といった運動機能の障害が生じると考えられています。

視床下部のドーパミン経路は、泌乳や妊娠維持等に関連したプロラクチンの
放出抑制因子として働いています。このため、高プロラクチン血症の治療薬として、
ドーパミンアゴニストが使われることもあります。

column-tatukawa.png立川 哲也
<理学療法士、PD 療養指導士、生命科学博士、LSVT®BIG ライセンス認定者>

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病の進行具合と未来像を予測しながら、リハビリの具体的なアドバイスをいたします。
パーキンソン病の特徴にあわせた自立度の高い方向けのリハビリプログラムを設定しています。

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